「粋」イキとは! 関西では「粋」スイと言います。
「粋」の反対語は「野暮」です。
野暮とは、例えば、高級品を持つのは良いが、見せびらかすのは「野暮」ですね。
先ず、「粋」な外観とは
姿勢が良く、立ち振る舞いが洗練されていて、しゃれた色気を持ち、格好良いと感じられる容姿。
言葉ずかいは、ハキハキしている事。
服装は和服なら襦袢の衿とか着物の裏地に赤とか色物を使いチラと見せる。背広でもネクタイやワイシャツなどにさりげなく、ワンポイント気を使う。
プライベートなら現代風に言えば外見は「ちょい悪親父」風のファッションが近いと思います。
しかし、本当の「粋」と言うのは、外観と心です。
本来、「粋」とは自分が接した人の言動や行動をみて、「あの人は「粋」だね」と感じたら
「粋」だと思います。
どんなに「粋」な事をしたと思っても、受けた方が野暮と感じれば野暮です。
何が「粋」で、何が野暮で、どちらが「粋」か野暮か判らなくなってきます。
そして、感じる方の年齢や立場によって「粋」に対する感じが変わってもきます。
別れた後、もっと一緒に居たいな、とか、又、会いたいなとか、思えたら、相手に感じさせる
言動やしぐさ、気配りがあったと言う事です。
そう感じさせることを出来る人が「粋」な人でしょう。
私が日本火消し保存会の会長として、会員や頭衆、若い衆にいつも言うのは
「思いやりを持って人と接せよ」です。思いやりが「粋」の基本であり全てだと思います。
思いやり
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相手の勘違いや思い違いを上手に諭したり、相手を立てる事が出来ます。
そして、みんなが納得できるよう「人の輪を」大切にします。
「粋」な大人の背中を見て育つ子供なら、学校でのいじめは減ると思います。
感謝の気持ちや心もでき、親しき仲にも礼儀あり、たとえ夫婦間でも「有り難う」の言葉を言えるようになります。
「粋」とは、人情に通じて物分りが良い人と言いますが、頼まれ事をする時はすぐに本題に入ることを促す。それも思いやりがあるからです。 |
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相手に気遣いをし、お互い様の気持ちで、持ちつ持たれつで、気配りをしながら行動する。そして、思いやりがあれば、相手に負担をかけません。 |
遊び方
遊里、遊興に精通している事。
「粋」な遊びとは、遊び方を知っている事で、「遊び心」でお金を使う事。
勘定を気にしながら、ケチって三回遊びに行く位なら、二回にして、一回減らした分でお土産や心づけ(チップ)に使う。
遊びはケチらない。 「金はきれいに使う」それが「粋」な遊び方です。
しかし、無駄遣いは野暮です。
「粋」なはからいとは、気配りです。
火消しの世界で「粋」について使う言葉で「義理と人情とやせ我慢」があります。
火消しにとって、義理と人情に命を懸ける事が究極の「粋」と思っています。
火消し半纏は一般の半纏と違って、半纏の丈が長く普通の半纏なら1反の反物で2枚できるが、火消しの半纏は七分丈なので一枚しかできません。(残りは捨てます)
古今東西"粋"やいなせには無駄も男気も必要です。
火消しも「粋」な事をする時は「やせ我慢」も多いようです。 |